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柔らかい他人

患者さんにこう言われたことがあります。

「鍼治療を受けると、身体だけではなくて、気持ちが楽になるんです。こんな感覚は初めてです。何かに気持ちをゆだねる事ができることって普段ないですから。」

私はその時、

「私とは競争しなくていいからですよ。」

などど、つまらないこと返答をしてしまったと記憶しています。
振り返ってみれば、それは私が家族でも同僚でも友人でもなく、しかし、全く知らない他人でもない、「柔らかい他人」だからこそできたことなのではないでしょうか。

日常では、人は役割を担って生活しています。家庭、職場、友人関係にいたるまで、それぞれが役割が与えられています。しかし、親でも子供でも、上司でも部下でもない治療家の前では、その役割という責任という荷をおろすことができたのでしょうか。

もちろん、治療家の役割、患者の役割も存在します。しかし、投薬もせず、検査もせず、機械も使わない治療では、目の前にあるのは血液検査の結果ではなくて、患者さんの身体です。患者さんの声に耳を傾け、痛む場所に手を当て、鍼やお灸をする。それは医者と患者の役割よりも緩やかなのではないでしょうか。なぜなら、患者にも自分の健康を担ってもらうからです。
時間をかけて行う治療を重ねていくうちに、お互いのことを少しずつ知り合っていけるようになります。そうすると、全く知らない他人から「柔らかい他人」になっていくのでしょう。

「柔らかい他人」には普段言えないようなことも言える。自分の訴えをきいてもらえる。関係が近すぎて息がつまることもない。
そこから安心感が生まれるのでしょうか。

だからこそ、家族の治療は難しい・・・・・(>_<) のは当然ですね。
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by may-shinkyu | 2007-07-20 22:16 | 日記

再会

ピアノの先生と再会しました。
私がアメリカにいた時の(すごく昔です)ピアノの先生で、私の音楽人生において最も重要で、尊敬して止まない、そしてチャーミングな先生です。
日本には毎年来日しているほど親日家で、生徒さんも多数いて、慕われています。
私は、レッスンを受けられるほど練習をしていないので、出来の悪い唯一の生徒なのですが、それでも先生とのいい関係は続いています。

日程調整が難しく、ランチを食べながらの2年ぶりの再会となりました。
限られた時間の中で、忙しくお互いの近況報告をしました。

「12年かけてやっとベートーベンのピアノソナタの分析が終わったよ」

と嬉しそうに目を輝かせながら言われた時には驚きました。御年なんと77歳!!
ということは、分析を始めたのが65歳だということですね。

私も65歳になった時に新しい課題にチャレンジできるように、生涯現役、日々是精進の精神を保ちつつ、それまで元気でいなくては、と肝に銘じた再会でありました。
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by may-shinkyu | 2007-07-10 21:48 | 日記