カテゴリ:東洋医学( 16 )

喜びすぎは・・・

出勤途中で嬉しいことがありました。本当はガッツポーズくらいしたかったのですが人目もあるので、平静を装い鍼灸院に向かいました。子供だったらこんな時にスキップなんかしちゃうんだよなあ、などと思い歩いていました。

そうしたら、道路の段差に気づかず、つまずきそうになりました。
通いなれた道です。縁石、段差、花壇の花、ペットの犬、よく顔を合わせる猫のお気に入りスポットなどなじみの道です。しかも、足元は履きなれたスニーカー、頭上には気持ちよく雲ひとつない晴れた朝です。

喜びすぎて地に足がついていなかったんですね。今回はつんのめったくらいで済んだからよかったですが、これから気をつけようと思いました。(転んで手を怪我したなんてことにならなくて本当によかった!)

古典には「喜は心を傷る」という記述があります。喜びすぎると陽気の多い心臓にさらに陽気が集まりすぎて心臓に負担がかかると言っているのです。
喜びすぎた人が心臓麻痺を起こすのかどうかは分かりませんが、その興奮状態が長く続けば血圧や心拍数にも影響すると思われます。陽気が上に停滞して、上下の気の交流ができなくなります。

喜びという一見「良い」感情も、見方を変えれば「心を傷る」ものにもなりえるのです。陽気、ハッピー、ポジティブであることが「良い」とされる風潮があるように感じますが、バランスが大切なのだと古典は教えてくれているのだと思います。
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by may-shinkyu | 2012-10-24 15:44 | 東洋医学

鍼は風邪に効く?

初診でみえたカップル2人に鍼灸をさせていただきました。

いくら私が女性でも、ネットでしか見たことのないところへ足を運ぶのは心細かったのでしょうね。女性が男性に頼んでついて来てもらったパターンでした。

治療後に男性に治療頻度について聞かれたので、男性の方は特に問題がないようなので、どこかに痛みがあるとか、風邪をひいたとかいうことでなければ、1シーズンに1回はどうでしょう。とお答えしました。

「鍼は風邪に効くのですか?てっきり鍼は腰痛とか肩こりにしか効かないのだと思ってました」とびっくりされました。

どうも鍼=運動疾患みたいなイメージは強いようです。が、鍼灸は風邪にもよく効きます。
気のめぐりをよくして、風邪を上手に経過できるようにお手伝いしますので、風邪の時こそ鍼灸を活用してください。風邪をお薬なしで経過できれば、免疫系が鍛えられて、以前よりも元気になれるものです。
風邪薬が簡単に手に入るので、お薬飲んでしまうという方も多いですが、お薬がなくても風邪はちゃんと経過できるものです。

私は風邪を引いて、熱なんか出ちゃうと喜んじゃいます。熱は身体が悪いものを殺菌しようとしているありがたい作用です。熱が上がっていく時は嬉しくって小躍りしちゃいたいくらいです(気分的にはですよ。身体的には節々が痛いことが多いので、布団にくるまってひたすら汗をかくのです)。ただ熱が下がった時には、身体を冷やさないようにして休めることにしています。この時期に無理すると治りが悪くなります。

風邪引きさんの声が聞こえてくる季節になりました。
ご自分の身体の力を信じて、ニコニコしながら風邪を経過できる身体になりましょう。そのためのお手伝いはお任せください。
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by may-shinkyu | 2012-10-10 19:27 | 東洋医学

寒さが身にしみる

というと大げさかもしれません。

が、先週急に寒くなった日に一応長袖を着て外出しました。家から外に出たときに少し寒いなと感じたのですが、「昨日まであんなに暑かったんだから、今日が長袖で寒いはずがない」と頭が言うので、そのまま外出しました。

案の定、薄手の長袖では足らず、寒い思いをした上にお腹をこわしてしまいました。冷えにやられたんですね。

夏の間に熱を発散させるために皮膚、東洋医学では腠理(そうり)といいます、は開いています。そこへ急に気温が下がると、残暑厳しい夏を乗り切って開ききった皮膚は寒さに無防備な状態になっていますから、寒さが身体の中まで入ってきてしまいます。

大事なのは、寒いと感じた身体の感覚を信じることです。私のように、「こんなに急に寒くなるわけがない」とか「まだ誰も厚着してない」とか「天気予報が今日は寒くならないといっていた」とか色々と理由をつけないことです。

寒いと思ったらちゃんと着る!

私もまだまだ修行が足りません。反省008.gif
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by may-shinkyu | 2012-09-27 13:12 | 東洋医学

腹は口ほどに物を言う

先日、別の所で鍼治療を受けたことのある初診の患者さんの治療をしました。

お腹に鍼をしたら、「お腹に鍼をされたのは初めてです」と驚かれました。
きっとその患者さんは、症状のあるところだけに鍼をしてもらっていたのでしょう。

ごめんなさい。言葉が足りませんでした。

そうなんです。肩コリでも腰痛でも膝痛でもお腹を拝見して、必要に応じて鍼やお灸をします。
お腹=胃腸はエネルギーを作る大事な臓腑ですから、東洋医学ではとても大事にしているのです。お腹の調子を整え、エネルギーが十分に生成されるようにして、それを全身に循環させるようにして、その結果として症状が改善していくのが無理がないからです。
もちろん辛い部分にも鍼やお灸をしますが、体を部品ではなくて、全体としてとらえて治療をしています。

お腹は表情豊かです。
「腹が立つ」という表現がありますが、現実的に腹筋の緊張として表現されています。
怒りが緊張を生むし、緊張が怒りっぽい身体の状態を作り出しているとも言えます。
赤ちゃんのようなふっくらとした柔らかくて暖かいお腹を目指しましょう。顔色や顔つきも変わってきます。

そして決して冷やさないように!まだ暑いですが、季節は確実に動いています。
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by may-shinkyu | 2012-09-19 18:42 | 東洋医学

紫雲膏の威力2

やけどをしてしまった患者さんに、紫雲膏を少しお分けしました。
カナダ出身の方でしたが、においをかいで驚いた様子でした。

ラベンダークリームのような優雅なアロマには勝てないけど、よく効きますよ、と言おうとしたら

「懐かしいにおいがする」とおっしゃるではありませんか!005.gif

お母様が香港出身で、塗ってもらったことを思い出したそうです。

効果もさることながら、人の記憶にも強く刻まれる紫雲膏の威力。おみそれしました。
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by may-shinkyu | 2011-06-22 18:32 | 東洋医学

カラ咳

カラ咳が流行っています。風邪がいつまでも抜けなくて、乾いた咳がコンコン出て胸や背中が痛くて辛いですね。

お薬を飲んで余計に調子が悪くなってしまったという方も多いです。

辛いのは充分承知していますが、たまには風邪をひきましょう。人間の体はすばらしいもので、風邪くらいだったらきちんと経過できるように設計されています。悪いものが排出されるデトックス効果もありますから、風邪をひいたら大掃除ができた!くらいに喜んでいただけると嬉しいです。

手前味噌ですが、鍼灸も有効です。なるべくスムースに経過できるようにお手伝いします。

長い冬が終わり、春から夏にかけては「発散」の季節です。
湿気の多い梅雨、湿度の高い夏には汗をかいて水分代謝を良くしておくと、体がだるくならずに元気にすごせます。
咳で余分なものを出しておくと、水分代謝しやすい体になっていきますよ。
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by may-shinkyu | 2010-05-20 15:48 | 東洋医学

暑いです

言ってもどうにもならないんですけど、毎日暑いですね。
やはり、年々夏が暑くなっていると感じます。暑さが身に堪えるのは、寄る年波のせいか、気候のせいか・・・。

当然ですが、この時期は体調を崩される方が多いです。
冷房、冷たい食べ物や飲み物で冷えている方が多くいらっしゃいます。寝冷えとは本当によく言ったものだと感心しています。

暑いとき東洋医学ではどうするのでしょう。
物理的に冷やすことはしませんね。発散を促進させるようにするのです。
熱がこもったら、それを鍼やお灸を使って発散させる。
汗が出にくいようだったら、汗を出せるように治療していく。

暑いのにお灸でさらに暖めるのは逆効果かと思われるかもしれませんが、お灸も使いようです。
夏バージョンのお灸をたくさんご用意していますよ。
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by may-shinkyu | 2008-08-14 10:16 | 東洋医学

気の記憶

ある患者さん(Aさん)が語ってくださったお話しです。

Aさんのお嬢さんが一歳になる前、髄膜炎にかかりました。(髄膜炎についてはこちら
緊急入院して、辛い検査と治療を受けました。その間、Aさんはずっとお嬢さんに手を当てていたそうです。治療は成功し、検査の数値が正常に戻ったので、完治したと病院から言われた時、お嬢さんの顔はむくんでパンパンに腫れていたそうです。それでも、病院としては「もうすることがない」ので、お嬢さんは退院しました。

Aさんは当時、信頼できる先生のもとで指導を受けていました。ですからお嬢さんが退院してからも、その先生の指導のもとで排毒を促進するようにお嬢さんに手を当て続けていました。その甲斐あって、お嬢さんはありとあらゆる排毒をしたそうです。排便・排尿はもちろん目、鼻、口、耳、そして最後に皮膚から汚れたものをすべて出しました。その排毒をすべて終えて、小学校に入学しました。

お嬢さんは、自分が小さいときに大病をしたということを知らずに成長しました。そして、自ら望んで医者になることを決め、医大に入学しました。現在は医大生として忙しい学生生活を送り、そして東洋医学を勉強するクラブにも所属しているそうです。


このお話しを伺って、私は「気の記憶」ということを考えていました。
このお嬢さんは、お母さん(Aさん)から、送られた気を記憶しているのではないかと。その記憶は意識上では認識されていないだけで、その記憶が彼女を「治療される側」から「治療する側」へと導いたのではないかと。与えられた「気」で満たされているからこそ、それを還元できる場所へ導かれたのではないかと。


よい治療を受けると、その効果というのは後々になっても実感されるものです。辛かった症状が楽になった、という目先の効果だけではありません。ふとした拍子に、「ああ、そう言えば最近、疲れにくくなったなあ」とか「何だか元気で調子いいかも」とか「今から考えると、あの時は調子悪かったことが分かってなかったんだなあ」とか漠然とした感じなのですが。

これが「気の医学」の素晴らしいところだと思うのです。時間が経っても、本人が意識してなくても、気を受けた体が変わっても、そこにある。

うーん、何だか言葉足らずですが、お話しを伺って感動したので、書いてみました。
もう少し、上手に表現できる時が来るかしら?
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by may-shinkyu | 2008-03-06 18:43 | 東洋医学

風邪

風邪の季節がやってきました。

風邪をひくと、熱は出るし、だるいし、鼻は出るし、咳は出るし・・・・ 辛いものです。
けれども、せっかく風邪をひいたのですから、上手に経過させたいものです。
風邪に伴う諸症状は、体を守り、悪いものを体外へ出そうとする自然の反応です。
自分の力で悪いものを排出できると、風邪をひいた後、スッキリします。

風邪薬を飲んでしまうと、何となくスッキリしないで、ぐずぐずといつまでも風邪が長引いてしまった、という経験をお持ちの方は結構多いのではないですか?
先日も、風邪をひいて、熱が出たら、解熱後に辛かった腰痛まで良くなった、という方もいらっしゃいました。

せっかく風邪をひいたのですから、体を休め、ついでに悪いものは全部出してしまいましょう。
風邪の時に鍼灸治療をすると、症状が急に悪くなったように見えるときがあります。咳が出たり、熱が急に上がったり、鼻水がたくさん出るようになったりします。が、出すものを出してしまうと、後がすっきりするものです。
普段、忙しくてゆっくりできない方は、風邪を機会に少し休みましょうよ。

「風邪の効用」は野口晴哉先生の名著であり、私の愛読書でもあります。
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by may-shinkyu | 2007-12-01 21:56 | 東洋医学

素問

宝命全形論篇を読んでいたら、こんな記述がありました。

以下、柴崎保三先生の通解を引用します。

「気の至る瞬間というものは、ア・・・ア・・・と頭にひらめくとともに、何か手ごたえを感ずるものでありますが、それは恰もパサパサと飛び去った鳥をあとから見るようなもので、それがどんな鳥であったか、何羽であったかは、はっきりとわからないのと同じようなものであります。」

その鳥が何色で、どんな大きさで、オスだったかメスだったか等の細かい点に捕らわれず、来た鳥が飛び去っていくのにも執着せず、でもそこに鳥がいたことだけが分かっている、と私は解釈しました。

鍼をすると気が至るのを感じますが、私はそれを喜びとして感じていました。
が、それもある種の執着なのですよね。

まだまだ修行が足りません。

同じ篇の中には繰り返し、「精神を粛整せよ」ということが書かれています。
気が至ることは治療において大切なことではありますが、それに執着して、自らの気を乱すことがあってはならないのですね。

謙虚に受け止めたいと思います。
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by may-shinkyu | 2007-10-11 18:47 | 東洋医学